火山性ガスとは?
火山活動により、火口や噴気孔などから噴出する水蒸気の中に含まれる、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素などの有毒な成分のことです。
火山性ガスによる健康への影響
火山ガスによる健康への影響には個人差があります。おおよそガス濃度による影響は下表の通りです。
「不快→吐き気・めまい・目の痛み→呼吸困難→死亡」と濃度が増すほど生命の危険が高くなります。
硫化水素ガス |
二酸化炭素・炭酸ガス |
二酸化硫黄・亜硫酸ガス |
温泉地帯でよく感じられる匂いの元です.実際にはかなりの低濃度(敏感な人は0.1ppm以下)で匂いを感じ取ることが出来ますが,危険な濃度になると逆に匂いを感じなくなるので注意が必要です. |
無色,無臭のため事前に感じることはまず不可能です.窪地に溜まっていることが多いのでそのような場所に近づかないのが一番です. |
非常に刺激性が強く,喘息の持病がある方,心臓が弱い方などは10-20ppm程度のSO2ガスでも発作を引き起こし,危険な状態になることがあります. |
濃度
(体積比ppm) |
生理作用 |
濃度
(体積比%) |
生理作用 |
濃度
(体積比ppm) |
生理作用 |
1−2 |
かすかに臭気を感じる. |
0.5 |
許容濃度 |
0.5-1 |
臭気が感じられる. |
3 |
臭気(卵が腐ったような臭い)が著しい. |
1-2 |
数時間の吸入では症状はない.不快感. |
2-3 |
刺激臭による不快感. |
5−8 |
非常に不快な臭気を感じる. |
3-4 |
呼吸の深さが増す.粘膜に刺激,頭部に圧迫感.数時間経つと頭痛・耳鳴り・血圧上昇・めまい・吐き気が起こる. |
5 |
許容範囲. |
10 |
許容濃度 |
6 |
呼吸困難. |
10 |
鼻・咽を刺激され,せきが起こる. |
50 |
気道が刺激され,障害が起こる. |
7-10 |
数分以下で意識を失い,チアノーゼを起こして死亡する. |
20 |
目を刺激する最低量.せきがひどくなる. |
100 |
臭気はあまり感じなくなる.5−8分ほどすると目・鼻・咽粘膜に強い痛みを感じ,暴露が長引けば激しい中毒になる. |
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30-40 |
呼吸が困難になる. |
800 |
直ちに急性中毒を起こしてク神,呼吸麻痺により即死する |
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50-100 |
短時間耐えられる限界. |
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400-500 |
1−2分で皮膚を刺激し,気道・気管支が犯され,生命危険となる. |
ここに行くときには注意!(火山性ガスが発生している観光地)
箱根(大涌谷・早雲山・湯ノ花沢)、那須殺生石、浅間山、草津白根山、阿蘇山
こんな日、こんなところは注意!
風が弱い・・・風の弱い日はガスがたまり、濃くなりやすい。
窪地・・・火山ガスは空気より重く、低いところに集まる。
こんな人は特に注意!
喘息の持病がある方
心臓が弱い方
予防策は?
・注意看板がある場所には絶対に近づかない。(登山道や遊歩道を離れることはやめる)
・危険放送に注意する(大涌谷では、火山ガス濃度の観測をしており、基準値を越える火山ガス濃度が検知された
場合は、危険を知らせる放送が流れます)
・赤ちゃんはベビーカーでなく抱っこして(火山ガスは空気より重いので低い所を流れます)
対処法は!
・のどの痛み、目のちかちか、刺激臭を感じた、咳き込んだ、こんな症状が現れたた時には風向きを見て風上
へ移動するかガスの区域から離れる
・二酸化硫黄や硫化水素はは水に溶けますから,濡れタオルで口や鼻をおおうと応急的なガスマスクになります
・硫化水素や二酸化炭素中毒では,倒れてからではまず手遅れです.特別な装備をしないままに助けに行くと二
次災害の危険があります。
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